Inkscapeを使った木の描き方 中景
前回は遠景の木の描き方を紹介しました。
今回はもう少し近づいた中景の木の描き方を紹介します。
木の幹の質感
オブジェクトを選択し、メニューの「フィルター」→「テクスチャ」→「樹皮」を行います。
高さ1800pxくらいの左側の長方形が、右のようになります。
しかし高さ150pxくらいの長方形では、下の画像左側のようになり、きれいな樹皮にはなりません。
図形の大きさにかかわらず、樹皮の模様は一定になるようです。
画像右側のようにするには、先のような大きなものを大きく作って縮小させます。
あと斜め方向にこのテクスチャをかけても、このような残念な感じになります。
斜め方向がかけたい場合、真っすぐなものにかけてからオブジェクトを傾けます。
幹
メニューの「エクステンション」→「レンダリング」→「ランダムツリー」を選択します。
ウィンドウが出るので、数値を入力。
数値はお好みで。
高さが約1000pxくらいの木だとこれくらいの数値。
ライブプレビューのチェックを付けると生成され、外して付けると別の形状で生成されます。ほどよい形になったら「適用」を押して形を確定してから赤の「×」で閉じます。
くれぐれも「適用」を忘れないようご注意を。
この大きさに対して、線が細すぎるのでストローク幅を1㎜に変更。
記事を読みながら順番に作業してくださっている人は、この線の状態のものを複製しておいてください。
メニューの「パス」→「ストロークをパスに変換」で面に。
ノードツールで点を動かして幹や枝を太らせます。
これに先の「樹皮」のテクスチャをかけると、やりすぎ感たっぷりの残念な出来栄えに。
先ほど樹皮でやった方法に倣って、大きさを2000pxに拡大してから縮小してみると、今度は物足りない幹に。
[Ctrl+Z]でいったん元に戻しましょう。
この状態です。
これはひとまず置いておき、ここで先ほど複製しておいた線の状態のオブジェクトの出番です。
細かい枝を消していきます。
面の状態でも消せますが、作業が面倒です。
線の状態で枝を消したら、「ストロークをパスに変換」で面にして、残っている太い幹部分を先の画像と同じように太らせます。
先の画像を下に引いて、ノードツールで点を動かせば容易に同じ形にできます。
これに樹皮のテクスチャをかけるとこのようになります。
先ほど置いておいた幹を下に重ねるとこんな感じ。
間近に見える木ではないので、これくらいで十分かと。
もっとしっかりと見せたい場合は、下に重ねた樹皮化していない幹の太さを、樹皮化した幹となじむように調節すれば、よりよく見えるかと。
樹皮化した幹は別レイヤーにし、ブレンドモード:「オーバーレイ」にしておくと、次に紹介する葉っぱとのなじみが良くなります。
葉っぱ
星型ツールで下の画像のように、「多角形」、角:5、丸め:0.2、ランダム化:0.3くらい図形を描きます。
幹を別レイヤーにした場合は、幹のレイヤーより下のレイヤーで
同じ方法で、葉っぱの元となる緑の塊を描いていきます。形が常にランダムになるので自然な風合いに。
幹や枝の形に合うように配置して、光が当たるところ、影のところで色を変えながら描いていくと、いい感じになるかと。
葉っぱの部分を選択します。
メニューの「フィルター」→「散乱」→「葉っぱ」を実行すると完成。
上の画像はうまくいった例。
しかし下の画像のように非常に残念な結果になることも。
この現象は、なるときは何度やり直してもなります。
どういう条件下でなるのかはわかりません。
対処方法というか、代替案としては樹皮のように大きく作って縮小する方法です。
雰囲気は違う感じになりますが、これはこれで悪くはありません。
あとメニューの「フィルター」→「変形」→「チョークとスポンジ」を実行しても、また違った木になります。
さらには緑の塊1つひとつを大きく描いて、縮小していく方法もあります。
しかし、この方法は面倒なのでおすすめできません。
細部にこだわるのなら良い方法で、近くの木にも使える方法と思いますが、中景くらいの木なら、シンプルに一括変換で済ませ、主役に力を注ぐべきかと。
以上になります。
僕のようにペイントソフトで木を描くのが苦手という人は試してみてください。